大阪から熊野古道へ先人が歩いた道「熊野街道」 宿場町再現や観光商品開発に向け、和歌山大学と共同研究を開始

株式会社日本ユニストと国立大学法人和歌山大学は、平安時代より大阪から熊野本宮大社を目指して人々が歩いた道「熊野街道」の歴史的・文化的な価値を検証し、新たな観光商品を開発する共同研究を開始しました。

和歌山大学との共同研究実施に至った背景
日本ユニストは、世界遺産・熊野古道沿いの宿「SEN.RETREAT」の運営と合わせ、大阪から熊野本宮大社へ先人が歩いた道「熊野街道」の宿場町を再現し、古代と同じ行程を約10日間かけて完歩するツアーを今後開催したいと考えています。
1千年以上の歴史を持つ熊野街道を現代に再現するためには、正確なエビデンス(裏付け)が必要です。
ただ、熊野街道や、街道沿いに点在する熊野の神を祀った社「熊野九十九王子」などについて調査した学術研究や文献は少なく、現状では今後のサービス開発の参考となりうる情報が不足しています。
そこで、熊野古道についての知見を有する地元大学と協力することで、文化、宗教、芸能などの観点から熊野街道の実態を明らかにし、次世代に継承できる新たな観光資源を生み出すこととなりました。


共同研究の内容について
産学双方のプロジェクトメンバーが、熊野街道の宿場町として栄えた地域で実地調査を行い、どのような食事を食べ、どのように宿場で過ごしたかなど、古代巡礼者の気持ちを理解しながら当時の様子を調査します。
地域ごとの特色を踏まえて導き出された研究結果は、「熊野街道めし」などの商品開発や宿場町の再現に生かし、和歌山や大阪の地域振興につなげます。
得られた情報は資料化し、次世代に伝承したいと考えています。

研究プロジェクトメンバー
〈和歌山大学〉
・紀伊半島価値共創基幹 価値共創オフィス 小川雅則特任教授 
 研究分野:地域づくり、地域連携
・紀伊半島価値共創基幹 紀州経済史文化史研究所  吉村旭輝准教授
 研究分野:芸能史、民俗学(民俗芸能)
・紀伊半島価値共創基幹 食農総合研究教育センター  植田淳子特任助教
 研究分野:観光学・地域研究(グリーンツーリズム、都市農村交流等)
・研究グローバル化推進機構 国際観光学研究センター プロガノ・リカルド・ニコラス特任講師
 研究分野:観光学(文化遺産、観光行政)、東洋学・文化人類学

〈日本ユニスト〉
・取締役  山口和泰    
・SEN事業部 課長 大﨑庸平

◆研究主幹・小川特任教授のコメント
国立大学には、教育と研究を通じて社会や地域にその成果を還元する使命があります。
本学との共創により、熊野街道に視点を当て、地域経済を活性化させようとする日本ユニストのプロジェクトは、目指すべき方向が一緒だと感じています。
産学連携の力を生かして、かつて巡礼者が歩いた街道沿いの歴史・文化・食の魅力を掘り起こし、新たな価値の創造に共創型で取り組み、地域の持続可能な発展につなげていければと考えています。

日本ユニストが熊野古道で行う事業内容について
日本ユニストは、世界遺産・熊野古道の参詣道「中辺路ルート」沿いに泊まり歩ける宿「SEN.RETREAT」を計4カ所作る計画を進めています。
第1弾として、標高300mの山間にある集落・和歌山県田辺市中辺路町高原で、空き家をリノベーションした一棟貸し宿「SEN.RETREAT TAKAHARA」を2021年10月、開業しました。
続く第2弾として、中辺路町近露に2022年4月28日、ヴィラ型のコンテナホテル「SEN.RETREAT CHIKATSUYU」を開業する予定です。
日本ユニストが大阪・新世界で運営する「Willows Hotel 大阪新今宮」から約1kmの場所には、熊野街道の出発地点であった堀越神社の窪津王子があるため、当ホテルを起点に、かつて行われていた熊野詣を体験していただけるプランの実施も計画しています。

SEN.RETREAT TAKAHARA
SEN.RETREAT CHIKATSUYU